円い樹とスコップナイト

西洋占星術と共に

水星の逆行

水星が順行に戻りました。

 

私の思考の根底には、いつも西洋占星術があります。

だけど基本的には、トランジットを気にして行動を制御することはしません。トランジットは、もっぱら、後追いで過去を振り返る時に読んでます。

 

それでも、年三回の水星逆行は、なんとなく気にして毎回思考を巡らせてしまいます。だいたい、「トランジットにおける水星逆行とは」みたいなことを考えております。今回も例にもれず、でした。

 

 

「水星逆行」については、最近では、占星術にあまり興味のない人にも認知されているとかいないとか。想像ですが、いわゆる「厄年」とか「大殺界」的な認知のされ方なんでしょうか。


私に関してはここ最近は特に、ネイタルに関係する水星逆行が続けて起こっていて、ほんとにベタな出来事が多かったです。電子機器が壊れて修理に出すとか、口論になるとか、収納の仕方を見直すとか。


まあ普通に考えて、水星逆行じゃなくても機械は壊れるし口論もするわけです。鉄道の遅延も道路の逆走も、水星の向きに関わらず起こります。

ただ、水星逆行に触発されてのそれは、当事者の主観的な意味合いがちょっと違ってくると思っています。

 

 

個人レベルの影響としてよく語られるのが、「水星逆行中は契約ごとや高価な買い物はなるべく避けた方が吉」というやつですね。

具体例を挙げると、「この時期に衝動買いをしたら、後で考えたら実は不要なものだったので他人に売る羽目になった、そういうことが何度もあった、だから水星逆行中は可能な限り大きな買い物は避けるべし」とか。

 

でももし、これが万人にあてはまるのだとしたら、占星術以外の領域でもっときちんと購買行動の法則として研究されていてもおかしくないはずです。

「逆行水星がネイタルに絡まないと影響出ないから、万人にあてはまりはするけど、毎回あてはまるわけではないんだよ」という考え方もありますが、その理屈でいくとしても、水星逆行期間中に衝動買いで失敗する人が通常より多く出現することになるわけで…信憑性に疑問が残ります。

 

 

占星術的な理屈の上で考えると、トランジット水星の逆行はそれ単体でハッキリとした輪郭が世に出ることは考えにくいため、公的なデータから検証していくのはちょっと無理というか無謀かなという気がします。私的な経験則の方がむしろ規則性が見いだせそうです。

 

その前提で話をすると、
私はこういう、逆行中、衝動的に高額な買い物をしてしまう人というのは、「もともとそういう素地のある人」だと思うのです。


通常はなんとなく水星の流れを読んで、世の中の波に乗ることができているところに、逆行期間が訪れることで、世の荒波に左右されない素の自分が現れて、それが「失敗」を生じる、と。


だけどその「失敗」は、いろんな面で必須のできごとなのだとも思います。

水星的な意味で世の中の「流れに乗る」のは重要なことではありますが、「世の中」を観測する「本人」という存在もまた「世の中」に内包されているわけで、ただただ波に乗っているというわけではない。

ただ一方的に「流れに乗る」ばかりで、双方向性を欠くことは、中性的な水星の性質を損ねてしまいます。

 

時には(年に三回は)わが身をおもんばかって、ただ流れに乗るのではなく「波を乗りこなしていく」機会がもたらされることで、水星のニュートラルさが保たれているのではないのかと。

 

 

ようするに、「水星逆行だから」トラブルが出た、失敗した、早く終われ~ と考えるのはもったいない、順行と逆行を繰り返すからこその水星なわけで、昼と夜みたいなもので、どっちも欠かせないものだと思います。

 

と言いつつ、次の逆行も気になって悩んでしまったりするんですけどね。